
手植えの疑問点

白いフロートが手植えの2×2=4uの4つの角(2箇所、合計8地点)を示す。
黒っぽい所は、自然海草藻場を示す。手植え移植実験区St.Uは周辺が自然海草藻場です。
手植え移植実験地 St.U
2002年11月13日
国(沖縄総合事務局)吉田 正嗣 様
環境監視・検討委員 各位
電話090-5476-6628
泡瀬干潟を守る連絡会
共同代表 内間 秀太郎
小橋川 共男
手植えについての疑問及び公開質問、資料の提供について
1. はじめに
国の海上工事着工、それに伴う手植えによる海草移植は、環境監視・検討委員会の審議結果を無視しており、許されません。このことについては、委員(野呂主査、金本委員、吉野委員,仲座委員)も抗議をしています。国は、工事を即時中止すべきです。7月24日、9月11日のWG委員会、9月30日の環境監視・検討委員会の議事録を公開し、経過を明らかにすべきです。
2. 「(海草の)手植え移植は、良好な生育が確認され、適応性が高い」としていますが、実験報告は、検証に耐えられません。手植えで海草藻場の保全ができる保証はありません。手植え移植は、多くの問題点があり、手植え移植は中止すべきです。次にその理由を述べます。
(1)僅か2×2=4uの2箇所の3つのSt(計24u)での実験であり、これから24ha(240,000u)の実験を正当化できないことは、マーク・ホンセカ博士も指摘しています。
(2)機械移植のモニタリング調査でも、これまで合計12箇所(100u×12=1200u)で行っており、深場では、現在3箇所あるモニタリングStを今後さらに8箇所(100u×8=800u、新設5、既存海草藻場3)増やして、モニタリングを継続するとしています。機械移植のモニタリング(2,000u)と比較しても、手植え移植実験(24u)の状況は、面積等であまりにも少なく、結果を科学的に判断するには不十分です。
(3)手植え実験の場所は周辺が自然海草藻場であり、そこで実験をして、現在ある程度生育していることをもとに、実験が成功であると結論するには、非科学的であり、国内外の科学者の検証に耐えられません。
(4)手植え実験の場所は、そのままの状態でも、自然海草藻場が形成されたかもしれない場所であり、埋立予定地にある海草藻場の保全という目的からすれば、現在ある自然海草藻場周辺へ移植する実験の意味がありません。
(5)いわゆる深場、周辺に海草がない場所への移植実験は行われていません。このことについては、WG委員会で金本委員も指摘しているところです。
(6)手植えの実験場所は、4年間で、周辺の自然海草藻場からの地下茎の伸長により自然に広がった海草藻場である可能性も否定できません。(実験場所は、周辺の自然海草藻場と遮断されていません。)また、この実験の対照実験(例えば、同じ条件の所を周辺を遮断した実験区を設定する、同じ条件のところで、移植をしていない実験区を設定する等)もありません。
(7)長期のモニタリングに耐えられる実験方法(例えば放射性同位元素を使った移植株を使う等)であれば、移植株が広がっていったと判断できますが、それを判定できるデータがありません。
以上の理由により、次の公開質問への回答、及び資料の提供を求めます。11月20日までにお願いいたします。
(1)海草藻場がパッチ状にあることは、ご存じですか。
(2)パッチ状に広がり、海草ベットのある海草藻場帯に手植えによる移植実験を行った理由あるいは目的は何ですか。
(3)これから行う手植えによる移植の計画書の提出をお願いいたします。(採取場所、移植場所、日程、手法等) 場所については、正確な位置情報もお願いします。関連して、以前の移植実験の計画書(手植え、機械化移植)も提供お願いします。
(4)実験の報告書に「株数」とありますが、「株」とはどういう状態のものですか。葉(直立部)のことですか。
(5)手植えSt.の実験区の移植開始時の写真に、「実験区の枠」が写っていないのは何故ですか。
(6)移植開始時の実験区には海草が写っていませんが、実験区は当初海草ベットがない窪地であったと判断できますが、そう理解していいですか。
(7)4年間で海草ベットが形成されていく過程の写真の提供をお願いいたします。(11月8日に提供された写真は、平面的な写真であり、ベット形成が分かりません。)
(8)海草ベットが形成されていく過程(礫や砂の堆積過程)を検証できるデータの提供をお願いいたします。
(9)実験枠の留め金は地中に埋まっていたはずです。現在、表面に見えますが、砂礫に埋まっていて、それを取り出したのであれば、埋まっていたことを示すデータを示してください。
(10) 行われている採取地(埋立予定地)の汚濁防止膜の展張工事の計画書を提出してください。
(11)機械移植の新たな実験(96uの3箇所)の計画書(採取地・移植地、日程、方法、評価の方等)を提供してください。
なお、以上の疑問に応えるためにも、手植え実験区(St.T.U.V)の合同調査を早急に設定していただくよう要請いたします。
また、7月24日、9月11日のWG委員会、9月30日の環境監視・検討委員会の議事録の提供をお願いいたします。