第4回総会のアピール
総会アピール(案)
泡瀬干潟埋立を中止せよ、仮設橋梁工事を直ちに止めよ
事業者(沖縄総合事務局)は、仮設橋梁工事を8月4日から再開した。また、海上工事(護岸工事)については、台風季節後に汚濁防止膜を展張予定であること、移植対象となる大型海草の濃密域(被度50%超)の有無を確認する必要があること等から9月以降の見込みとなる、としている。
私たちは、泡瀬干潟(海域)が世界に誇る貴重な場所であり、埋立工事を即時中止するよう要請してきたが、事業者はこれらの声を無視して「事業ありき」の立場で工事を強行している。
工事を再開した後の8月23日、泡瀬干潟を守る連絡会・泡瀬干潟生物多様性研究会・日本自然保護協会は記者会見し、新たに5種の貴重な貝(巻貝:オキナワハナムシロ、コウシヒメムシロ、カゲロウヨフバイ、二枚貝:ヤマホトトギス、コバコガイ)が工事区域内に生息していることを公表した。これで、環境アセス書に記載されていない貴重種が17種にもなる。環境アセスがいかに杜撰であったかを改めて証明するものである。
これらの貴重種の保全と同時に、泡瀬干潟(海域)の保全(「場の保全」)がますます重要になってきた。
このような貴重な場所が、合理性・緊急性もなく、市民合意もないままに、一部業界の強い圧力で埋立てられようとしていることを許してはならない。
私たちは、事業者の工事強行の立場を糾弾し、工事を直ちに中止し、泡瀬干潟(海域)をそのまま保全するように、改めて強くアピールする。
1. 仮設橋梁工事は明らかな海上工事であり、本格工事につながる工事であるにもかかわらず、海上工事と区別・切り離し、あたかも環境に影響の小さい工事であるかのように装い強行している。
2. 6月、7月に開催された環境監視委員会でも、数名の委員から「新種や貴重種・重要種の対応策は示しているが保全策がない」との指摘を受けている。また、海草移植技術が未確立である、工事予定海域に海草藻場の濃生域が存在している、新たにカラクサモク・水深6mのコアマモが確認されたこと等から、それらへの対応が必要であるにもかかわらず、対応が遅れたまま工事を再開している。また、埋立の前提である海草移植は失敗し、「移植による保全」が困難であることが判明し、海草藻場の保全は振り出しに戻り、新たに「海草藻場の創造」が検討されている。実験・検討にほぼ1年を要する。
3. また、カラクサモク、水深6mのコアマモは報告されたばかりであり、「学術的に重要な可能性がある」と認めながら、調査が行われないまま、またその保全については何も示さないまま、9月海上工事(護岸工事)再開を表明している態度は、環境への配慮・生物多様性の保全の立場から許されない。
4. 工事再開後、新たに5種の貴重な貝が工事内で確認された。それらの種の調査、保全が重要である。
5. 工事区域内には、被度50%以上の海草藻場があるにもかかわらず、事業者の調査方法(10m平方枠での調査)で「被度50%以上の海草藻場はない」として、豊かな自然藻場を生き埋めにしようとしている。一般的には被度調査は1m平方枠で行われる。事業者の調査はあまりにも杜撰である。
6. 泡瀬干潟(海域)は複雑な地形であり、特殊な環境に適応して多くの新種、貴重種・重要種が生息している。これらの「種の保全」と同時に「場の保全」が言われているのに、それへの対応、配慮はまったく示されていない。
7. 泡瀬干潟(海域)は沖縄で残された最大の干潟であり、シギ・チドリ類の飛来数はラムサール条約登録湿地の漫湖より多く、ラムサール条約事務局、日弁連等国の内外からその保全が求められている。
8. 埋立後の土地利用計画も杜撰であり、合理性・緊急性は無い。新港地区のFTZへの企業誘致も予定の92社にたいして僅か11社が立地しているだけであり、しかも港・航路の浚渫を急ぐ企業は無く、緊急性は無い。新港地区は遊休化している。そのために、新港地区が辺野古新基地建設の作業ヤードとして使われようとしている。そうであれば、目的外使用であり許せない。変更であれば埋立の見直しが必要である。
9. 工事を急ぐ理由がなく、しかも「環境アセス」に記載されていなかった新種、貴重種・重要種が17種も確認され、その保全策が示されていないのに、工事だけが先行することは、「環境に配慮する」と言いながら、それは言葉だけであり、「無駄な公共工事を、業界の強い圧力に押されて進めている」ものであり、「事業ありき」の態度は許されない。
10..私たちは、埋立事業の問題点、合理性の無さを引き続き市民・県民にしらせ、仮設橋梁工事、埋立工事の中止を求めて運動を広げていく。
以上アピールする。
2004年8月24日 泡瀬干潟を守る連絡会第4回総会
1/■私たちの主張
泡瀬干潟、やっぱし残そう、子や孫へ
泡瀬干潟とそれに続く浅海域185haを埋め立てる計画は、即時中止すべきです。
■今や県内最大の干潟。貴重な生物が生息。世界が注目■
1.クビレミドロ、トカゲハゼ゙などの 絶滅危惧種、ヤマトウシオグモなどの希少種が生息し、アマモ類など漁 場に必要な広大な海草藻場があります。
2.サルボウガイ・コメツキガニなど貝類・底生生物の種類が非常に多く豊です。
3.ここは、環境省が重要湿地に指定し保全を訴えています。
4.ラムサール条約事務局も保全を求めています。
5.オーストラリア環境・遺産大臣ロバート・ヒル氏も東アジアの渡り性水鳥のフライウエイの確保のために保全を求めてい ます。
6.オーストラリア・アジア・シギ・チドリ研究グループ(NGO)の副議長のフィル・ストロー氏も「渡り鳥のために保全が必要、野鳥園、人工干潟はナンセンス」と訴えてい
ます。
7.県は、ここを評価ランク1(厳正な保全を図る地域)に指定しています。
8潮干狩り、イザイ、タコ取り、アーサ・モズク取りの場であり、自然学習の場です。今後の沖縄観光の目玉であるエコツーリズムの場所として重要です。
9.隣接の新港地区の埋立にも使えなかった浚渫土砂で、貴重な干潟が埋め立てられるのは、問題です。
■土地利用計画はバブル期の発想であり、実現性がありません■
1.リゾート地が主な計画ですが、立地希望のホテルは、ほとんどありません。
2.海洋研究所、栽培漁業センターなども、絵に描いたモチです。
3.
4.約300億円の市民負担は、沖縄市の将来にとって大きな問題になります。
■沖縄市民の民意は埋立反対です■
1.マスコミなどが実施した様々なアンケート結果は、「埋立反対」が過半数を超えています。
2.選挙での出口調査(参院選、市長選)の結果も「埋立反対」が過半数を超えています。
3埋立の是非を問う「住民投票条例」制定の声は大きいです。 住民投票条例制定の署名の数(選管確定)は、第1回(01.4〜5月)は9415筆、 第2回(01.11〜12月)は6991筆、法定数を大きく上回っています。
■移植塊は、85%が消滅です。移植実験は失敗しています。■
1.海草藻場の保全のために、移植実験が行われていますが、失敗です。
2.国の2月と5月の発表を比較すると「良い」と「不良」が逆転し、「不良」が多くなっています。
3.台風5号,7号が、沖縄近海を通過し移植海草は、さらに悪化しています。 「連絡会」の調査では、移植地全体で移植塊の75%が消失し、評価AB(良)の比率は、わずか14%です。移植実験は失敗です。国発表では、良は0%、不良は100%です。
4.台風16号通過後の「連絡会」の調査では、いわゆる深場(St.J,K,L)でも、移植塊の69%消失し、良はわずか15%、不良は85%です。
5.移植による海草の保全が不可能であれば埋立を中止すべきです。
■海草移植、無理な事はやめて、保全をしよう■