次に紹介した記事は、沖縄タイムス(12・19)の記事(焦点インタビュー)ですが、
沖縄総合事務局の、川上泰司・港湾環境技術官の発言は許されません。このような
考え方の人が、国の環境行政を行っているかと思うと、日本の将来、住民意思の尊重
が危ぶまれます。この発言の責任を追及しましょう。皆で抗議しましょう。
発言の問題点の概要と泡瀬干潟を守る連絡会の事務局私見は、次の通りです。
1.移植について何もわからなかった。・・工事の認可そのものがおかしい。移植が何もわからない時点で埋立てが認可されたことの大きな間違い。
2.委員会の助言をどう料理し、判断するかはわれわれの責任だ。助言は尊重するが、その通りにやらなくてはいけないとは考えていない。・・事業者にとって不利な助言はいらない、という考え方は、環境監視検討委員会を設置した目的(事業実施者に対する指導助言を行う)にも反する。環境省も「環境監視検討委員会の指導助言に従う」ことを申し入れている(12月23日の新聞報道)
3.アドバイスだからと、何も知らせなかったのはおごりだったかなと思う。・・委員会をあまりにも軽視してきたことを自ら暴露している。9月30日の原点に戻れ。
4.もう一回アセスをしろ、代替案を検討しろという人は、委員会の運営上好ましくない。・・施行されている環境影響評価法は、環境保全を最優先し、代替案の検討、住民意思の尊重を基本理念にしている。国の役人が法律の趣旨に無理解で、大事な埋め立て事業を進めているかと思うと、背筋が寒くなる。
5.移植にスポットがあたり、移植が成功すればすべていいというのは本末転倒。・・この発言こそ、まさに本末転倒。私たちは、「埋立ての前提として、海草藻場、クビレミドロの保全がある。現時点でその保全の技術が確立されていない。そのような状況の中で、工事を着工することは、不当である」ことを主張し、「埋め立て中止」を訴えている。現に機械移植は失敗しているし、手植えについても、委員会の了解も得られていない。クビレミドロの保全の技術も確立されていない。移植(機械移植・手植え移植)は、貝類や他の底生生物の死滅を招き、移植地・採取地の海草藻場の生態系を破壊している。
環境保全に取り組む仲間の皆さんの意見、抗議をお願いいたします。
・ ・新聞報道はここから…
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泡瀬埋め立て 事業者と一部委員 手植えで対立 02年12月19日沖縄タイムス
中城湾港泡瀬埋立て事業は、石材を海上に投入する護岸工事が19日から始まる。沖縄総合事務局は懸案の海草移植は「手植え法」を採用することで着工に踏み切ったが、環境監視・検討委員会の一部委員がこれに反発。本格着工という局面で、委員と事業者の溝が表面化する異例の事態に進展している。双方に聞いた。 焦点インタビュー
沖縄総合事務局 川上泰司 港湾環境技術官
生態系を保全する手段
Q 環境監視・検討委の委員から、手植え法は「予備実験にすぎない」との指摘がある。同法採用を決めた理由は。
A 「最初は藻場移植について何も分からなかったが、実験を進める中で手植えや機械化工法、適地などの知見がだいぶ絞られてきた。百パーセント根付くのはできないが、だんだん成功率を高めていく方法がある。モニタリングを重ね、手植え法の採用はリーズナブルな範囲に入ると判断した」
Q こうした判断に一部委員が反発するなど混乱が生じている。事業者は委員会の位置づけをどう考えているのか。
A 「不満を持った委員の先生は、事業の是非は委員会が判断するすると考えていた。一方、私どもにとって事業推進は当たり前で、委員会の助言をどう料理し、判断するかはわれわれの責任だ。助言は尊重するが、その通りにやらなくてはいけないとは考えていない」
「意思疎通がうまくいかず、あいまいに進めてきたのは反省点。アドバイスだからと、何も知らせなかったのはおごりだったかなと思う。今後は、事業の進め方を折々に説明していく」
Q 委員会に専門家を補充すべきとの意見が相次いでいる。委員会の正常化をどう図るか。
A 「委員会には繰り返しわれわれの立場を説明し、委員にとどまってもらいたい。並行して委員会の構成は納得を得られるよう変えていく。次回委員会を年度末に開き、委員会構成の在り方や必要な専門分野について提案する。次年度から新体制にしたい」
Q 自然保護団体から、NPOなどの団体を加えるべきとの指摘もある。
A 「もう一回アセスをしろ、代替案を検討しろという人は、委員会の運営上好ましくない。事業が前提である委員会であることを理解してもらえるかがひとつ。中立の立場で、泡瀬の海を知り尽くした人なら前向きに検討する」
Q 環境保全をどうすすめるか。
A 「移植にスポットがあたり、移植が成功すればすべていいというのは本末転倒。藻場の生態系を保全する手段として移植がある。藻場移植が生態系保全にどれだけ役に立ったかという観点で長い目で判断すべきだ」
環境監視・検討委員 吉野哲夫 琉球大学理学部助教授
成功の根拠は示されず
Q 事業者が判断した「手植え法」についてどう思うか。
A 「手植え法は最初からメーンではなく、機械化工法の比較対照として挙げられていた。だが機械化の結論が得られなかったため、対照実験であったはずの手植えが事業者によって勝手に『これでできる』と判断された」「事業者が出した『移植計画』にも手植えでいけるという根拠は一つも示されていない。移植適地についても、その適地選択を探る指標案が示されただけで、まだまだ準備段階だ」
Q 委員の間でも移植工法の意見が分かれているが、環境監視・検討委の役割をどう考えるか。
A 「委員会は確かに事業着工の判断をするものではない。専門的な立場から審議を尽くさなければいけない。さまざまな問題点を一般の人たちに明らかにする状態にするのが委員会の役割。その上で事業者は着工の判断をすべきだ」「(12月11日の委員会で)専門家が不在の中で、移植計画が了承されたことはおかしい。計画にお墨付きを与えるようなもので、委員会は事業者のしりぬぐいをする場ではない」
Q 委員会はどうあるべきか。
A 「事業者は委員会の組織を初めから見直すべきだ。藻場の専門家というだけでなく、藻場の生態系を考える上で、そこに生息する貝類や鳥類などの専門家を含め、NPOなどの第三者機関も入れる必要がある。」「NPOの参加は時代の流れ。事業者にその参加を要望してきたが、必要ないとしている。NPOや自然保護団体から出された意見書なども、委員会で審議すべき。税金で事業を行う以上、広い意見を聞くことが前提だからだ」
Q 本格的な海上着工が始まる。地元でも賛否が分かれているが。
A 「藻場は長い歴史と時間を経て、形成されている。もともと生えないところへの移植は、自然にとって異常なこと。芝生や植木などを植える発想と同じだ。藻場の移植はいまだかって成功した例はない。自然をつぶすことは簡単。それを復元することがいかに金がかかり、大変なことか、根本的な議論が抜け落ちている」