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                             20031224

記者会見

 

泡瀬干潟を守る連絡会

共同代表 内間秀太郎 小橋川共男 漆谷克秀

 

海草移植(減耗対策実験、手植え移植)は成功していません。

事業者は、海草移植の面積計算で、「誤魔化し」を行なっています。

 

(1)はじめに

0111月〜022月に行なわれた広域機械移植が成功していないとして、台風・初期減耗対策実験が0212033月に行なわれた。また、0210月から事業者の「独断」で海上工事が着工され、工事に伴い海草の「手植え移植」が「事業者の独自の判断」(環境監視・検討委員会の指導助言なしで)で行なわれた。これらの二つの移植と、以前の広域機械移植の結果について現在モニタリングが行なわれ、調査結果が海草藻類専門部会、環境保全・創造委員会に報告され審議されている。結果は「いずれも、今後のモニタリングが必要との結論となった。」としています。

 また、「移植海草の生育状況の評価について、事業者側と一部委員が行なった評価について議論がなされ、評価方法の違いが指摘された。今後、一部委員からの具体的な評価方法が提案されれば、これについて事業者との間で調整することとされた。」ことが、海草藻類専門部会(115日)で確認されています。

 

(2)手植え移植、面積の誤魔化し

ところで、海草藻類専門部会の一委員(泡瀬干潟を守る連絡会事務局長前川盛治)が「03115日の海草藻類専門部会の緊急報告」(ホームページ、メール)の中で、次の報告をしました。

@移植海草面積の誤魔化があること。

Aこれは、機械化移植実験、手植え移植、減耗対策実験の全てで採用されていること。Bアマモ、スガモ類を移植したが、それは枯死消滅したが、一緒にくっついていた他の小型海草(ウミジグサ、マツバウミジグサ、ウミヒルモ等)が生え広がったので、それも移植海草藻場の面積として計算していること。

Cこれは、「大型海草を保全するために移植する。この移植の成功が埋立の前提条件である」というこれまでの確認事項を裏で「改竄」することであり、絶対許されないこと。

これにたいして、沖縄総合事務局K氏から「海草藻類WGに関するクレーム」として、次のメールが届いています。

 

「大型海草のみでなく、小型海草も面積に入れている」について、 当該移植地は、移植前に海草がまったく生えていない箇所であり、 現在生えている海草は、移植したものまたは移植が要因となって 生えたものであることが明らかです。したがって、小型海草も面積に入れています。移植の目的は藻場生態系の創出であって、海草一本一本の保全でないことからも、入れることは問題ないと思います。ごまかしとおっしゃるのであれば、WGでご議論ください。なお、移植地の海草の種別の出現状況もデータとしてお示ししているところです。

 これについて、一委員は次のように反論しています。

 

海草移植(実験)は、被度50%以上の大型海草を移植して保全する、という目的で行われており、リュウキュウアマモ、ボウバアマモなどの熱帯海草は、移植事例も少なく学術的に確立されたものでないため、モニタリングを適切に行い、その結果を環境監視・検討委員会に諮り、指導助言を受けたうえで、以下の移植計画に反映させていくこととする、となっている。

 大型海草を移植したのにそれがうまくいかず枯死・消滅・面積縮小したのに、一緒に移植された小型海草が生えてきたので、それも面積にいれて「移植海草は、生育面積を伸ばしているが、被度は停滞している」と評価することは、「大型海草も生育面積を伸ばしており、大型海草の移植があたかも順調にいっている」かのような印象を与えている。面積をいうのなら、大型海草の面積と小型海草の面積を区別して表記すべきであり、二つを一緒にして上記のような表現にするのは「移植海草面積の誤魔化し」であるといっているのです。移植海草藻場の面積に小型海草の面積をいれることが誤魔化しとはいっていません。

 これについては、今後の海草藻類専門部会で、大いに議論しましょう。環境保全・創造委員会でも「議論」になることでしょう。

 

 以上の経過から明らかなように、事業者は、海草移植の面積計算で、「誤魔化し」を行なっています。115日の海草藻類専門部会での手植え移植工法の評価(案)は次のようになっています。これについては、経過に示したように議論になりました。

 

「移植海草は、生育面積を伸ばしているが、被度は停滞している。」(手植え移植)

 

(「海草移植の目的」については、沖縄総合事務局の資料をご覧下さい。また、去った12月県議会での土木建築部長の答弁も参考にしてください。)

 

(3)減耗対策実験

また、減耗対策実験についても、海草藻類専門部会用の資料(1030日案)で「減耗対策工法による試験藻場の減耗は自然藻場と同程度であっことから、対策工法を用いることにより、機械化移植は適応可能と考えられる」としていたのが、当日の資料では、この評価が削除されたことに対し、事業者側(wave)は次のように回答していました。

 

「どの工法も被度、面積ともよくなく、現時点で、評価するのは時期尚早と考え、コメントを変えました。事前の評価は適正を欠いていました。」

当日資料では、各工法の状況を記すといくことで、次のようになっています。(概略)

@土嚢を用いた対策工法(工法2)については、使用した袋材が半年あまりで崩壊したため、当初期待した対策効果が得られなかった可能性がある。

A初期減耗対策としては、隙間をつめる工法(工法1)が有効であった。

B台風に対する減耗対策工法としてもっとも優れていたのは掘削して砂を詰める工法(工法3)であった。

 

減耗対策実験についても、事業者は、「適用可能」とは言えない状況です。

 

(4)泡瀬干潟を守る連絡会の評価

以下、手植え移植と減耗対策実験について、私たちの調査結果を報告し、事業者の評価の問題点を明らかにします。先に、泡瀬干潟を守る連絡会の現時点での評価を表明しておきます。

 

泡瀬干潟を守る連絡会の現時点での評価

1.事業者は、移植海草の評価(面積計算)で、誤魔化しをおこなっています。

2.減耗対策実験は成功していません。

3.手植え移植は成功していません。

4.埋立の前提の海草藻場移植が成功していないことから、埋立事業は「中断」し、モニタリングを継続すべきです。

(記者会見に使われた、移植海草の写真は、「財団法人・自然保護助成基金」の助成でつくられました。)

 

記者会見資料  海草移植の目的

 

中城湾港(泡瀬地区)公有水面埋立事業にかかる海草移植計画(平成141216日 内閣府沖縄総合事務局 開発建設部)より抜粋

 

1.海草移植の目的

 

1-1はじめに

 

埋立事業者として実行可能な範囲内で、埋立により消失する海草藻場(密生・濃生域)のうち主要な構成要素の大型海草をできる限り移植し、もって当該地区の生態系の保全に努めるとしたものである。

 

1-2中城湾港(泡瀬地区)公有水面埋立事業における藻場生態系保全の基本的な考え方

 

リュウキュウアマモ、ボウバアマモ等の海草類で構成される海草藻場(アマモ場)は、海水の浄化や底質の安定化の機能を有するとともに、生物の産卵・稚仔魚の保育場・餌場となるなど、生物の多様な生息環境を提供する重要な場である。

 

1-3藻場生態系保全措置における海草移植の位置づけ

 

海草移植は、上記のように、生物の産卵・稚仔魚の保育場・餌場となることに注目し、消失する海草藻場機能の一部を移植された藻場が代償することで、泡瀬地区の海域全体の生態系機能の減少が低減され、本海域の生態系全体の保全を目指すものである。

 

2.泡瀬地区における海草藻場の現況

 

2-1海草藻場の変遷(省略)

 

2-2海草藻場の現況

 

中城湾港(泡瀬地区)公有水面埋立事業に係る環境影響評価書(平成123月)においては、アマモ類など大型海草の生育被度50%を超える藻場(密生・濃生域)が約25ha消失することになるため、できる限り移植をすることとしていた。

 

3.これまでの海草移植実験の経過と得られた知見(省略)

 

4.海草藻場の移植計画(省略)

 

5.本計画の見直しについて

 

リュウキュウアマモ、ボウバアマモなどの熱帯性海草は、移植事例も少なく学術的に確立されたものでないため、モニタリングを適切に行い、その結果を環境監視・検討委員会に諮り、指導・助言を受けたうえで、以下のように移植計画・施工にフイードバックさせていくこととする。

 

6.総合的な対策による海草藻場機能の保全(省略)