
海藻草類専門部会 2006年2月22日
前川盛治(泡瀬干潟を守る連絡会事務局長) 意見
T.手植え移植海草の追跡調査結果の部分は、データの信用性に疑問があり、承服できない。
責任を持って審議する為に、委員の実地調査後に再度論議すべきである。次回は全委員の
実地調査を実現してもらいたい。
データの信用性に疑問の部分
(1)2I、10Hの面積、被度の値に疑問がある。
2Iの被度が15%は信用できるのか、私の評価(写真参考)では5%程度
10Hの被度30%以上は信用できるか、私の評価(写真参考)では、12%程度
合同調査の区画20番との比較
被度の値に科学性があるのか?
(2)提供されたデータに疑問が多い。
例えば、2I、10Hのスケッチによるデータ(資料―2、資―7)の部分
数字に信用性があるのか
また、スケッチと目視に3倍の開きがあり、目視によるデータで被度、面積が論じら
れている。(資―7と資―23の比較)
U.広域移植実験のデータの科学性に疑問があるので、資料―2、17ページの表2.4の
「評価結果」は承服できない。
「事業者は、広域機械移植の評価のモニタリング地点としてSt.a〜lまでの12地点を選び調査報告
していた。しかし2002年(平成14)10月から、調査地点、m、n、o、p、qを増やし調査報告
している。この事への疑問と意見。
1.
St.a〜lの評価は以前の評価(4段階)でほとんどが、「不良・評価D・色で赤」と報告
2.
していた。この調査地点は、事業者が機械移植直後、多くの場所に移植したところから
3.
無差別平等に選び出した12の地点(浅海9地点、深場3地点)であり、浅海に多くの
4.
移植ブロックを置いたことからすれば、科学的であったと思われる。
(移植ブロック1.5uは6290個。単純面積1.5×6290=9435u、12地点×100u=1200u、
1200÷9435×100=13%の選出)
浅場・左側(60):深場・右側(20)=9:3
深場・右側のj、k、lの3地点を選んだのは妥当な数値であった。
5.
機械移植の結果が思わしくないので、平成14年度10月調査から調査地点を5つ増やした。
これは、台風後生き残ったところから比較的良い場所を選んだ、意図的なものであった。
壊滅的な場所(移植ブロクが消滅・枯死した場所)は、深場にも無数にあったのに、良好な5地点
を追加したのは、公平さを欠き非科学的である。
(表1.3-1 平成14年9月30日資料、図3.1-2 平成14年7月24日資料、参考)
以上まとめてとしての意見
「St.m、n、o、p、qは他の調査地点St.a〜lとは違い、後で意図的に追加された調査地点であり、
参考的に見るべきである。そこをa〜lと同列において評価に入れることは科学的ではない。追加評価部分
は承服できない。」
また、移植の実験結果を見ているのであり、台風後の経過のみを見ているのではない。移植直後との比較
をし、それを評価すべきである。
さらに、m、n、o、p、qは移植直後との比較でなく、02年10月との比較である。また、この5地点は
自然藻場近くでもある。
「広域移植実験の移植4年後の評価結果」ではない。「台風で被害を受けたあとの回復状況」と記述すべきである。
V.St.k(広域機械移植)の評価の疑問もある。
● 被度は25から2.5に低下し、さらに「2年目以降の成長は安定していない」と評価しながら、評価Cはおかしい。)
●
A、B、Cの評価基準はどこで決められた基準なのか。委員会で認められた基準か?
過去にA(良)、B(やや良)、C(やや不良)、D(不良)の基準は決められたことはある。
W.減耗対策の評価の問題(台風前後の比較をしていることの問題)
移植直後と比較すべきである。初期減耗、台風による減耗を含め、移植ブロッ
クがどうなるのかを実験している。大型海草の移植の実験である。
減耗1、減耗2、減耗3とも被度面積を減少させている(面積増加は小型海草
を含めている)、被度、面積の数値に疑問がある。同じブロック数を移植してい
る(50個×1.5=75u→移植直後の面積 全体面積12×8=96u。)
減耗1 左半分も密植したのに壊滅している。「密植の効果があった」はおかしい
減耗2 土嚢で囲む効果は無かったと評価すべき
減耗3 移植時と比較して被度が大きく減少しており掘削の効果は無かった。
面積は増加しているが、小型海草(ウミヒルモ等)であり、小型海草は表層部分に生える海草であり、
掘削との関連は薄い。
「実験の目的は達せられた」はおかしい。約50個の移植ブロックは減耗2、3では殆ど無く、減耗1でも
3分の1程度しか残っていない。
X.場の創造の盛砂(海草)採取地の変更
当初は、トチリ護岸、余水吐護岸の中から採取するといっていた(浚渫場所は含
まれていなかった)。
私は、今後の実験の継続性、砂質底質の条件統一が必要であり、それが困難
であること、また、実験地の生態系の保全の立場から、「盛砂(海草を含む)」
に反対した。
事業者は当初予定地が条件に合わないと変更している。今後、今度の採取地
と同じ条件の場所を捜す事になり、自然藻場を荒らすことにつながる。
また、今度採取した場所は豊かな自然藻場(被度が高い場所)であった。提供されている遠景写真を見ると被度が
50%以上に見える。豊かな藻場を破壊している。当初予定地は今年度埋立てられる場所だからやむをえないと表現し
ていた。問題である。
Y.手植え移植実験のデータが昨年の委員会から全く出されていない。平成15
年度までの委員会には、毎回手植え移植実験のデータが出されていた。
平成16年度1月の専門部会で口頭説明があって依頼、データが全く示されて
いない。委員会にデータを提供すべきである。(私はHPに紹介している。)