2005年6月2日
記者会見
世界初、ホソウミヒルモの花を泡瀬で発見
〜サンゴの放卵の季節、泡瀬の海底ではホソウミヒルモの薄紫の可憐な花が咲く〜
泡瀬干潟を守る連絡会
共同代表 内間秀太郎、小橋川共男、漆谷克秀
泡瀬干潟を守る連絡会と日本自然保護協会・泡瀬干潟自然環境調査委員会の新井章吾(海藻研究所)に
よる潜水調査が05年5月27日(金)に行われ、埋立予定地の南の水深7から15mに生育するホソウミヒ
ルモが、薄紫色の可憐な花を咲かせていることが確認された。ホソウミヒルモは、サンゴの放卵の時期に、
成熟することが明らかになった。未熟な果実も形成され、泡瀬干潟を守る連絡会は、今後、種子ができる
のを見守っていきたい。ホソウミヒルモの花の確認は「世界初」であり、この種の繁殖・生態を研究する上で極め
て貴重なことである。
ホソウミヒルモは03年6月に泡瀬干潟を守る連絡会が記者会見で、新種の可能性があること、埋立予定
地に生息していること、調査と保全が必要なこと等を発表し、その後専門家による研究と沖縄総合事務局の
調査研究で05年3月30日に「新種」であることが公表されたばかりである。
世界初のホソウミヒルモの花の発見にみられるように、泡瀬海域は極めて貴重な場所であることが益々明
らかになった。
泡瀬干潟・海域は、沖縄県が「自然環境の保全に関する指針」(1998年)で、厳正に保全すべき地
域(評価ランクT)に指定したところであり、絶滅危惧1A類(環境省)のトカゲハゼ(魚)、同1類のクビ
レミドロ(海藻)が生息している場所でもあります。そして、工事着工後も私たちや海草藻類・貝類・
カニ類の専門家によって次々と新種・貴重種が発見されました。
特に、私たちがホットスポットと呼んでいるところ(現工事区域の西側)は、ホソウミヒルモ・ヒメウミヒル(以上海
草)・リュウキュウズタ(海藻)・ニライカナイゴウナ・スイショウガイ(以上巻貝)・深場のコアマモ(海草)等、新種・貴重種・
重要種の生息場所であり、「場の保全」により「種の保全」を図ることが大事であると事業者(国・
沖縄総合事務局、県・土木建築部港湾課)に要請してきました。しかし、事業者は、自ら新種の可能
性があると認めているニライカナイゴウナ、オサガニヤドリガイを「移動によって生存が保証されるもではない」と
認めながら、工事区域外に大量に移動してしまいました。一方、工事区域には被度50%以上の海草
藻場があるのに移植しないで、04年10月に工事を再開してしまいました。
私たちはまた、このホットスポットの西側に隣接するサンゴ類生息地(埋立予定地・以後「サンゴホットスポット」)及
び西防波堤北西海域(航路予定地、将来掘削される)をあらためて調査し、西防波堤北西海域でヒメマ
ツミドリイシの大群落、サンゴホットスポットで良好なスギノキミドリイシ群落、リュウキュウキッカサンゴの群落を
確認しました。そして、これら3種のサンゴ゙は、近年沖縄の西海岸では絶滅し、東海岸でも泡瀬、大渡海岸な
どに限られている、事業者が上記海域での調査をほとんど行っていないこと等から、5月18日に記者会
見し、「早急なサンゴの調査と保全、沖縄市・県の観光資源(エコツーリズム)としての活用、サンゴの供給資源
としての活用」等を事業者に要請したばかりである。
私たちは改めて表明する。
1.ホソウミヒルモの花の咲く泡瀬海域・ホットスポット・サンゴホットスポットを保全せよ。
2.泡瀬干潟・海域を沖縄市・県の観光資源、エコツーリズムの場として活用することを考えよ。
資料1 ホソウミヒルモの花が発見された場所(ホソ花)
HMはヒメマツミドリイシ大群落 SHSはサンゴホットスポット(スギノキミドリイシ群落、リュウキュウキッカサンゴ群落

資料2 ホソウミヒルモの開花した雄花、つぼみの雌花(訂正→つぼみの雄花)、若い果実 新井章吾氏 撮影・提供
中央が開花した雄花、左上のピンク色が雌花のつぼみ(訂正→雄花のつぼみ)、右上の突起のついた楕円形が若い果実 |
開花した雄花 ランの花を思わせる |
記者会見後の追記 ホソウミヒルモの花について、記者会見後マスコミが、事業者が調査を依頼した港湾空港技術研究所のU氏に問い合わせたと
ホソ花
ころ、U氏が「昨年確認している」と回答があったそうです。しかし、U氏は花についてはおそらく公表してなく(新種と公表した記者会見資料にも花の記述はない)、私たちは、開花した花を確認できませんでした。私たちの「世界初の発見、写真の公表」は以上の経過もあったことを追記しておきます。(前川盛治) 新聞報道沖縄タイムス 琉球新報
ホソ花