
〇内村真之*・新井章吾**・宮崎勤***・横山奈央子****・井上徹教*・中村由行*・嶌田智*****:日本におけるウミヒルモ属の分類に関する新知見
今年度から沖縄総合事務局那覇港湾・空港整備事務所からの委託を受け,「沖縄県中城湾泡瀬地区の海藻・草類についての研究」が開始された。日本に生育している海産顕花植物は8属16種が記載され,世界で二番目に多様性が高い。しかし、ウミヒルモ属に関しては,Halophila ovalis(ウミヒルモ)およびH. decipiens(ヒメウミヒルモ)の2種しか確認されていない。本研究ではウミヒルモ属の種多様性を明らかにするために,泡瀬地区における毎月の定点観察に加え、比較検討のため石垣島、奄美大島などの南西諸島や本州域でもウミヒルモ属を採集した。その結果,形態によって数タイプに区別することができた。泡瀬地区のウミヒルモ属を既報告の2種だけに分類することが困難であったため,形態と核コードITS領域の塩基配列による分子系統解析も含めて検討した。既報の2種に加えて日本新産のH. minorとH. australisに該当する2種が含まれることがわかった。また,2003年に泡瀬地区で発見されたホソウミヒルモは分子系統解析でも新種である事が示唆されたが、ハワイ原記載のH. hawaiianaと形態が酷使しているので最終分析を行なっている。また、今まで本州でウミヒルモと同定されていたものは,別の新種であることがわかった。したがって日本に生育するウミヒルモ属は,これまでの2種から6種へと大幅に増えることになる。
(*港湾空港技術研究所,**海藻研,***海中研,****北大・理・生物,*****北大・先端研セ)